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子どもの取り違えという重く辛い題材なので、
観るのをためらっていたのですが、
観てよかったです。本当に素晴らしい映画でした。

これまで育てた子どもが他人の子だったという現実を突きつけられた時、
人はどうするのか、どうすべきかなんてわかるはずがありません。

登場する2組の家族の対応も全く違います。
これからどうするべきかを冷静に考える家族と
ありのまますべてを受けとめようとする家族。
父親と母親でも違います。
特に、裁判で取り違えの原因がわかった時の反応。
怒り狂う母親達と静かな怒りを見せる父親達の対比が印象的でした。

ネタバレするといけないので、内容は詳しく書きませんが、
福山さん演じる父親の心の変化の流れの中で迎えるラストは
見事だったと思います。
あの終わり方にすっきりしないと感じる方もいるようですが、
正解なんてないわけだし。
たぶんこうなるんだろうなと思わせる空気感で充分な気がします。

それからもう1つ。
あの看護師だけは絶対許せない!!

でも、あの看護師のことがあって、
福山さん演じる父親が自分を見つめるきっかけになり、
自分を育ててくれた母親と初めて向き合うことにもなるんですよね。


どの登場人物の立場で観るかで、
受け取り方が全く変わってくる映画だと思います。
重いテーマの映画ですが、観終わって暗くはなりません。
笑えるところもたくさんありますし。

ハンカチはお忘れなく。
涙を指で拭うくらいでは足りませんから。
私…、号泣でした。






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ジャンル:映画
打ち合わせの時間が変更になり、時間があいてしまったので映画館へ。
「クライマーズ・ハイ」を観てきましました。
(少しネタバレありです)


1985年8月12日、群馬県御巣鷹山にJAL123便が墜落。
前代未聞の大惨事のスクープ合戦を繰り広げる地元新聞社の記者たちの人間ドラマ。


145分もあったんですね。
全く時間を感じさせないエキサイティングな映画でした。
カメラワークが実に巧み。
特に新聞社内での場面は臨場感にあふれていました。
そう感じたのは、私が以前働いていた職場と関係しているからかもしれません。

と言いましても、社会部などに比べると、緊迫感とはあまり縁のない部署でしたから、
あまり偉そうなこは言えませんが、あの社内での様子はリアル!です。
整理さんとの交渉、販売局との争い、デスク・局長との戦い…
いろんなことが思い出されました。
ちなみに、整理さんとはレイアウトや見出しを担当されている方。
でんでんさんがされていた役です。
実際はもっと怖い!

人物描写は見事。
それぞれの部署、立場の描き方には感心しました。
新聞社に入る人は、新聞記者を目指していた人がほとんど。
編集局以外の人もジャーナリスト魂というのが根底にあるんですよ。
編集局に配属されなかった人、記者から外れた人、
その人達にも、新聞を作っているというプライドはある。
そこに見え隠れする屈折感との葛藤もあるのかもしれない。
そのへんがきちんと描かれているので、
セリフの一言一言がこちらにググッと迫ってきます。

どの役者さんも、リアル感という意味で素晴らしかった。
特に蛍雪次朗さんは恐ろしいくらいリアル。
他にも、こんなに演技の達者な人だったのかと感心させられる人ばかりでした。
役者さん達の芝居が見事だっただけに、
リアル感・臨場感と情緒的な部分とのちぐはぐが最後まで埋まらなかったのが残念。
いくつかのエピソードも、その必要性を全く感じなかったばかりか、不快な思いさえしました。
ラストは監督一人が満足しているようにしか感じませんでしたし…。
大傑作になるのを、みすみす逃しているようで悔しくてなりません。
でも、いい映画でしたよ。


余談ですが一言、机の上はあんなにきれいじゃない。


「クライマーズ・ハイ」公式サイト

原作「クライマーズ・ハイ」 (文春文庫)

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遅ればせながら観て来ました。
「出来すぎ~」という声があまりにも多いので、少々観るのをためらっていたのですが、
観てよかったです。
ファンタジーだと割り切って観ると、いい作品ですよ。
(少しネタバレありです)


養護施設で暮らす孤児のエヴァン。
彼は鋭い音感の持ち主でした。
実の両親を探すことをいつもいつも願っていた彼は、
ある日、不思議な音に導かれるようにマンハッタンへ向かいます。
実の両親は共に音楽家。
それぞれに新しい人生を歩んでいるように見えましたが、
忘れられない思いと苦しみを抱え生きていました。
そんな彼らも、さまざまな出来事を経て、マンハッタンに向かいます。


題名どおり、これは奇跡です。
でも「出来すぎだよ~」と言って一歩引いてしまったら、何もかも虚しくなってしまいますよ。
ファンタジーでいいのです。
エヴァン少年を見ていたら、絶対幸せになってほしいと思いますもの。
信じられないほど汚れがなくて、ハラハラしてしまいます。
彼の純粋さに心動かされる人もいれば、彼の才能にしか目がいかない人達もいる。
きっかけや理由はどうあれ、少年の向こう側に何かを見た人達が動くことで、
人の人生というものは変わっていくのです。
人と出会い、人と話し、傷つくことも経験しないと、幸せにはたどりつかないものなのです。

最後はハッピーエンドになることはわかっていても、ヒヤヒヤしますし、
エヴァン、父、母、それぞれが幸せのゴールであるセントラルパークに向かうあたりは、
もうドキドキします。

音楽も素晴らしいです!
エヴァンがギターで音を奏でるシーンなどは、鳥肌ものです。

悪い人も実はいい人なのかなと思っていたら、最後まで悪い人でした。
でもあの人、両親が出会うきっかけになった、あのストリートミュージシャンですよね。
違うのかな。

あっそうそう、映画の冒頭で赤い紐で吊るしたサンキャッチャーが
印象的に映し出されるのですが、
やはり幸せを運ぶのですね。


「奇跡のシンフォニー」公式サイト

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実に淡々とした映画です。
前半はほとんど音楽もなく、起こった出来事を淡々と描いています。
と言って、退屈なわけではありません。
だって、その起こった出来事は、世界中が衝撃を受けたダイアナ妃の事故死。
実際のニュース映像を交えながら、本物そっくりの役者達が演じているのですから、
まるでドキュメンタリーを見ているかのごとく引き込まれていきます。

 

1997年8月、ダイアナ元皇太子妃が交通事故で死亡。
すでに王室を離れ一民間人となったダイアナ元妃に対し、女王は公式声明を発表する立場ではありませんでした。
しかし、この態度は国民からは薄情としか映らず、女王は窮地に追い込まれていきます。
そこで、首相に就任したばかりのトニー・ブレアは、国民と女王の間に立ち、事態の収拾に乗り出します。

 

今までほとんど知ることのなかった王室の風習、女王の立場、孤独。
実際に王室内であのような会話が交わされていたかどうかはわかりませんが、言葉の一言一言がリアルに迫ってきます。
開かれた王室を目指し、これまで国民に愛され続けてきた女王が国中からの非難を浴びる。
こんな屈辱は味わったことがなかったでしょう。
それでも、彼女は声を荒げるでもなく、怒りを表に出すこともなく苦悩するのです。
なぜって、彼女はイギリスの女王だから。

 

スコットランドにある王室の領地が幾度となく映し出されます。
あの地方特有のどんよりとした空の下に広がる自然は美しいとは言いがたく、不気味な雰囲気さえ漂っています。
その静寂の中に佇む女王の姿に、王室の長く重い歴史や伝統を、この女性一人が背負っている悲哀を感じないではいられません。

 

ラスト近く、ある女性(ここでは、あえてこう書きます)のほくそ笑んでいるかのような写真が一瞬映し出されます。
最後の最後に「こう来たか~!」と思いましたね。
ブレアやブレア夫人は俗物にも思えるような描き方をしていましたし、結局は女王を賛美していることは否めないです。

 

エリザベス女王を演じたヘレン・ミレンは、アカデミー賞をはじめ、この作品で数々の賞を受賞しました。エリザベス女王にそっくりであることがクローズアップされましたが、彼女の威厳と品格に溢れた演技は必見です。
以前NHKのハイビジョンで「エリザベスⅠ世~愛と陰謀の王宮~」というテレビドラマが放映されました。それで彼女はエリザベスⅠ世を演じていたのですが、これはもう素晴らしかったです。
映画の「エリザベス」よりも迫力がありましたね。
機会があれば、ぜひご覧になるのをおすすめします。

 

アメリカ映画なら、もっとドラマティックにエンターテイメントたっぷりに描いていたでしょう。
日本は映画にすることすらできないでしょうね。
この映画はイギリス・フランス・イタリアの合作。
だからこそこの何よりも女王の風格を重んじた映画になったのでしょう。
見終わった後、ひたすら淡々と映画いていた意味がわかるような気がしました。
王室というものは、女王というものはそういうものなのですよ、きっと。

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1人の男性に巡り会い、導かれていくことで成長し
キャリアを手に入れる映画って多いですよね。
いわゆるシンデレラストーリー。
ありきたりのようですが、やっぱりいいんですよね、この手の話。
男を踏み台にしてのし上がって行くパターンと違い、
愛と信頼がベースにあることがポイント。

あらすじ
ニュース番組のアンカーウーマンを夢見て、マイアミのローカル局に入社したタリー。
センスは最悪。学歴もなし。
アンカーウーマンとは程遠い。
でも、熱意だけは誰にも負けていません。
懸命なアピールのもと、お天気キャスターとしてその第一歩を踏み出したタリーは、
敏腕プロデューサーのウォーレンに認められます。
彼女はウォーレンの愛情あふれるサポートの下、アンカーの道を歩んで行くのです。


ウォーレンは最初にタリーに愛情のひらめきを感じて
手を差し伸べたのではありません。
隠れた才能をいち早く見出したからでもありません。
タリーのひたむきさに心を動かされれるようになったのです。
タリーは野心がありましたし、常にチャンスを狙っている女性でしたが、
何か策を練ろうとか女を武器にしようという思いは全くありません。
ただただひたむきに、一生懸命に突き進んでいくのです。

サクセスストーリーも愛というベースがあると、泥臭くなくていいのです。
こんな人いたらなあという乙女心も、映画を観ている時は封印しなくていいのです。
頑張っている女性ほど、実は支えを欲しているもの。
心に甘えを持てないからこそ、支えがほしいんですよね。
この映画はその理想そのもの。
「できすぎだよ~」とさめた感想はちょっと置いといて、
素直に目も心もハートにして観るべし。
「できすぎだよ」と言う前に、ちょっと考えてみてください。
タリーは確かにウォーレンのサポートを受けチャンスにも遭遇します。
でも、そのチャンスを自分の力でモノにしているのです。
どれかひとつでも「できない」と投げ出していたら、
周りの人間を納得させる結果を出していなかったら、
階段を昇ることはできなかったはず。
甘えと失敗の許されない世界で成果を出したのは、タリー本人なのですから。
そのことに全くおごりを見せないタリーは魅力的。
大きな愛に支えられていることを充分認識し、
疑うことなくその人を信頼しする中で実力もキャリアも身につけていく姿は、
女として美しい。
ちょっと弱音はみせるけど、甘えはみじんもありませんから。
怠慢な毎日に疑問を持たない女性以外は、気付くことも多いはず。

ラストは・・・そんなのあり~!!って感じ。
女性がたくましく生きていく姿を象徴したかったのでしょうが、
この終り方が作品の質を下げてしまった気もします。少し残念。

キャリアを積んでいくと同時に変化していくタリーの外見にも注目を。
中身も大事ですが、女は見た目も大事。
服装、メイク、ヘアースタイルは実にわかりやすい変化です。
この変化、現実として重要なんですよね。
おまけですが、ちらっと映るステーショナリーなどの小物も変化が見られますので、
ストーリーと共にこの辺もチェックを。
細かいところにもこだわりが満載ですので。

セリーヌ・ディオンの歌もいいです!

監督:ジョン・アヴネット。 
出演:ロバート・レッドフォード、ミシェル・ファイファー、ストッカード・チャニング他。



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