FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

実に淡々とした映画です。
前半はほとんど音楽もなく、起こった出来事を淡々と描いています。
と言って、退屈なわけではありません。
だって、その起こった出来事は、世界中が衝撃を受けたダイアナ妃の事故死。
実際のニュース映像を交えながら、本物そっくりの役者達が演じているのですから、
まるでドキュメンタリーを見ているかのごとく引き込まれていきます。

 

1997年8月、ダイアナ元皇太子妃が交通事故で死亡。
すでに王室を離れ一民間人となったダイアナ元妃に対し、女王は公式声明を発表する立場ではありませんでした。
しかし、この態度は国民からは薄情としか映らず、女王は窮地に追い込まれていきます。
そこで、首相に就任したばかりのトニー・ブレアは、国民と女王の間に立ち、事態の収拾に乗り出します。

 

今までほとんど知ることのなかった王室の風習、女王の立場、孤独。
実際に王室内であのような会話が交わされていたかどうかはわかりませんが、言葉の一言一言がリアルに迫ってきます。
開かれた王室を目指し、これまで国民に愛され続けてきた女王が国中からの非難を浴びる。
こんな屈辱は味わったことがなかったでしょう。
それでも、彼女は声を荒げるでもなく、怒りを表に出すこともなく苦悩するのです。
なぜって、彼女はイギリスの女王だから。

 

スコットランドにある王室の領地が幾度となく映し出されます。
あの地方特有のどんよりとした空の下に広がる自然は美しいとは言いがたく、不気味な雰囲気さえ漂っています。
その静寂の中に佇む女王の姿に、王室の長く重い歴史や伝統を、この女性一人が背負っている悲哀を感じないではいられません。

 

ラスト近く、ある女性(ここでは、あえてこう書きます)のほくそ笑んでいるかのような写真が一瞬映し出されます。
最後の最後に「こう来たか~!」と思いましたね。
ブレアやブレア夫人は俗物にも思えるような描き方をしていましたし、結局は女王を賛美していることは否めないです。

 

エリザベス女王を演じたヘレン・ミレンは、アカデミー賞をはじめ、この作品で数々の賞を受賞しました。エリザベス女王にそっくりであることがクローズアップされましたが、彼女の威厳と品格に溢れた演技は必見です。
以前NHKのハイビジョンで「エリザベスⅠ世~愛と陰謀の王宮~」というテレビドラマが放映されました。それで彼女はエリザベスⅠ世を演じていたのですが、これはもう素晴らしかったです。
映画の「エリザベス」よりも迫力がありましたね。
機会があれば、ぜひご覧になるのをおすすめします。

 

アメリカ映画なら、もっとドラマティックにエンターテイメントたっぷりに描いていたでしょう。
日本は映画にすることすらできないでしょうね。
この映画はイギリス・フランス・イタリアの合作。
だからこそこの何よりも女王の風格を重んじた映画になったのでしょう。
見終わった後、ひたすら淡々と映画いていた意味がわかるような気がしました。
王室というものは、女王というものはそういうものなのですよ、きっと。

スポンサーサイト
テーマ:★おすすめ映画★
ジャンル:映画
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。